カテゴリー "ゆのみん企画" の記事

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海賊に恋をして 63

『さぁ…ゲームを始めよう…………』ユノのその一言に、周りの空気が一気に変わる。ユノはゆっくりとワイングラスの並ぶテーブルまで歩み寄る。『話が早いなぁ、ユノ。さぁ、楽しいゲームのはじまりだ。俺を楽しませてくれ。』兄はそう良いながらチャンミンを手荒く突き飛ばす。床にたたきつけられたチャンミンは、それでもすぐにその身を起こし、『ユノさんっ!ダメっ!!そんな事……そんな事しなくたっていいからっ!!』ユノを真っ直...

海賊に恋をして 62

何故…ここにチャンミンが……。生きて欲しいと願い、決して離したくないその手を離したその人が…なぜ…この城の中に……。『チャンミンっ!!』ユノが駆け寄ろうとした瞬間、ユノの後ろに居たはずの兄がその行く手を遮る。『おっと…。ユノ…お前は何も分かっていないようだな……』そう言って兄はじわりじわりとチャンミンに近付く。口角をにやりと上げながら、ユノとチャンミンの間に立ちふさがり、すっと剣先をチャンミンへと向けた。『...

海賊に恋をして 61

殆んど灯りのない長い廊下を、言葉無く歩く…。憎んでも憎み切れない兄の後ろを……今はただ黙って。握り締めた剣が無駄に空を切る音だけが響く……。松明が揺らめく廊下を兄のその背を見つめ、自分の後ろにはドンへがぐたりとしながら敵の肩に担がれ、その長い前髪が力なく揺れているのが分かる………。ドンへは気を失い、そんなあいつの首には常に剣先が向けられている。前には兄一人…。しかし自分達の後ろには何十もの兵士。兄に導かれ...

海賊に恋をして 60

『ヒョン………』松明が僅かに灯るその場所に立っていたのは、紛れもなく……兄だった。『ユノ……』地を這うような低い声……。耳に突き刺さった感情のない響き………。僅かな光で瞳までは見えないが、その響きだけで背筋が凍る程の冷たさと嫌悪感が生まれる。『ヒョン……』『……………』ふたりの間に流れた沈黙が、まわりの空気さえも止めてしまいそうだ…。『ドンへをどこへやった……』ユノは腰に携えた剣に手を掛た。『ふっ…あの小僧か?昔からあ...

海賊に恋をして 59

僕は再び歩き出す…。ミノさんと一緒に……ユノさんの元へ。道なき道をミノさんと寄り添って歩いた。離れない様、ミノさんの背中を見失わない様に僕は必死に歩いた。慣れない道に何度も何度も躓きながら、それでも前だけを見て……。見上げる星空。ユノさんと見た月。ユノさんと出会ってから、見えるものすべてが…愛しくて生きてるって感じる事が出来た。だから…、だから僕は行く。自分が生きている事、自分がこれから生きる意味を失わ...

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