2014年11月の記事

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海賊に恋をして 47

穏やかな朝……燦々と降り注ぐ太陽の陽の光は、昨夜の淡い月明かりとは正反対に深い眠りにつくユノとチャンミンを暗闇から引き戻す。ユノを抱きかかえたまま眠りについたチャンミンは、その光に誘われる様にゆっくりと覚醒していく。何度か繰り返した瞬きの奥に、自分の腕の中で眠るユノの穏やかな寝顔………眩し過ぎるほどの光に、その額にも…その頬にも小さな傷がある事が鮮明に浮かんでいて、チャンミンはその額に…そっとキスを落と...

海賊に恋をして 46

『ユノさん…少しだけ我慢して下さい…』チャンミンはユノをソファまで誘導しその身体をゆっくりと座らせた。雲に隠れてしまった月がしっかりとその姿を現し、黄金色に染められた空から届く月明かりが船長室を照らしている。その淡い月明かりの中、チャンミンはユノの上着をそっと脱がしていく。露わになるユノの上半身……。その姿に自分の鼓動が早くなるのを感じながらも、チャンミンは湯を沸かし、その傷付いた身体を清拭していく。...

海賊に恋をして 45

『……ユノ…さん………?』部屋のドアを開けると、ユノはアーチ型の窓際に立っていた。その後姿………。ようやく出て来た月明かり……それを浴びながら、それでもその背中は…あまりにも……儚かった………。先ほどの戦いで切れてしまったあの長い髪は…ずいぶんと短くなってしまい、乱雑に斬られたせいで不揃いだ。怪我をしている腕もそのままで、どのくらいそうしていたのだろう……。ぴくりとも動かないその後姿。それはチャンミンが声を掛けるのを...

海賊に恋をして 44

『チョンユンホ、覚悟ーーーーーーーー!!』突然後ろから響いた声。ミノに手を差し出していたユノの背後に、きらりと光る剣……『ユノさん、危ないっ!!』チャンミンは咄嗟に身を挺して、ユノの背中を突き飛ばした………。甲板に強く叩きつけられるユノの身体……目の前に振り下ろされた剣先が甲板を切りつける。『ユノ様!!チャンミン!!』小船から乗り込んできたミノがふたりの前に立ちはだかる。ユノはひらりと身体を翻し、腰に携...

海賊に恋をして 43

『ユノさんはどこだっ!!』小さな部屋にチャンミンの声が響き渡った。その声に、『ふっ…お前の大事な人はすでに………』にやりと笑う男…。その瞬間、銀色に輝く剣先が男の頬に触れた。まるでそこに剣だけが存在するように、その男の後ろからすっと入って来た剣先…。『俺はここだ……チャンミン……』『ユっ……ユノさん……!!』鋭い剣刃を頸動脈に押し付けられ、男の顔が一瞬で固まる。『この部屋の物が欲しければどれでもくれてやる…。た...

海賊に恋をして 42

『おっ……お前っ!!』『聞こえなかったのか…?その汚い手を……離せ………』『いつの間に………』『このピアスにだけは触れさせない……絶対に……触れさせない。それに触れるなら…お前を……刺す・・・・・』チャンミンの上に跨る男の首元に押し付けられたキラリと光る剣先……。それを握っているのは……、チャンミン…………。『それだけは絶対に汚させない……。お前たちの様な鬼畜には……絶対にっ!!』小さく震え手で押し付けられた剣先が、男の首元に...

海賊に恋をして 41

『ふっ……これは上物だな…おい……』『おい、お前…見張りしてろ!』『はっ…はいっ…!』一番後ろにいた若い男が、船長室の入り口に走り去る。チャンミンは何が起こっているのかもわからないまま、握りしめていた短剣を胸の前で構える。『こいつが…船長の……か……噂には聞いていたが…これは美しい少年だ……』『あぁ…確かに……。どうするつもりだ?このまま連れ去るか…?』『待て…このまま手を出さずに綺麗なままってのは…惜しいじゃないか…...

海賊に恋をして 40

それからどれくらい経ったのだろう……チャンミンはユノに言われたように、船長室の隠し部屋でひっそりと息を殺していた。時折耳に届く声……それは決して穏やかな音色ではない。戦い果ての断末魔……そして、民の為、仲間の為、そして自分の為に腹の底から出す人間の心の叫び……その声が耳に届くたびに、チャンミンは自分の身体をしっかりと抱き込み、そして、小さくあの人の名を呼んだ。『ユノ…さん……ユノさんっ……』自分の心の内を伝え...

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