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第63回ゆのみん企画【海賊】海賊に恋をして 6


『ぐわぁぁぁぁぁぁ!!』

甲板に響いた声……。


それは一体誰の断末魔だったのか…………。


あまりにも突然の事。

そして、


誰かの息が切れる音………


突然訪れた静寂………



真っ暗な闇の中、
チャンミンはひたすら耳を塞ぎ、
目をぎゅっと閉じ、
震える自分の身体を小さくしていた。


外で何が起こっているのか全く分からない。

鼻につくのは…血の匂い……

そして、

天井の上から聞こえるうめき声……




怖い……怖い……

どうして僕が…
どうして僕がこんな目にっ………


ガタガタと震える身体は、
その扉が開かれるのにも気が付かない程…。


差し込む月明かりが、
チャンミンの足元まで伸び、
その前で止まった。

『嫌だっ……嫌………いや………』

決してその目を開こうとせず、
決して顔を上げず、
自分の運命を呪いながら涙を流すチャンミン。


手に持ったナイフ。

誰かの手にかかって死ぬくらいなら、
いっそこのナイフで……。

でも……それすら出来ない…
それすら出来ない人間なんだ。



『チャンミン……』


いやだ…
『チャンミン……』

やっ………


『チャンミン。』


先ほどの騒々しい音とは打って変わり、
突然食糧庫に響いた声……


えっ……


『チャンミン…大丈夫か……?』



チャンミンの上から降って来た声と、

温かな手………。


その手がチャンミンの頭にそっと乗せられた。


『やっ…!』


その手にチャンミンの身体が大きく跳ねた。


『チャンミン……もう…大丈夫だ………』


聞き覚えのある声…。

そして…、

なぜか自分の心にすんなりと響く優しい音色………



チャンミンはその声にゆっくりと顔を上げた。


その人の背には月………


真っ暗で何も見えない食料庫の中………

この中で唯一光るのは……チャンミンの頬に流れる涙…。

『チャンミン……怪我はないか…?』


その声と共に、
その人はゆっくりと自分の前に膝をついた。


そして見えたその人の顏………



『ユノ……船長っ…………』


『チャンミン…悪かったな…怖い思いをさせて……』


そう言ってチャンミンの頬に流れる涙を指で拭った。


『僕っ………ぼくっ……』


伸ばした両手……

握っていたナイフを放り投げ、
チャンミンは無意識にユノに飛びついた。


『チャンミン……』

『こわっ……こわかった……僕っ……死ぬ……死ぬんじゃ……ないかってっ……!!』

『もう大丈夫だ…チャンミン。』

『やだ……やだ……僕っ……僕……』

『チャンミン…』


その声が耳元で聞こえたと同時に、

チャンミンの身体はユノの腕の中にすっぽりと納まり、
そして、
抱き上げられた……。


『チャンミン…もう泣くな。
私が……お前を守る……

何があっても、
お前だけは私の手で…………』


優しく抱き上げられたチャンミンの身体が、
ユノの腕の中でゆらゆらと揺れる。

真っ暗だった食料庫から、
風を感じれる甲板へと連れ出されたチャンミン。

その腕の中、

『なぜ……僕を………』

チャンミンは遠のく意識の中で、
ユノ船長の顏を見上げる。


『ようやく見付けたお前を……決して傷付けたりはしない……』


その声が降り注ぐ中、


チャンミンは意識を失った…………







第62回 ゆのみん企画『海賊』に参加のブロガー様はこちらから




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