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海賊に恋をして 42



『おっ……お前っ!!』


『聞こえなかったのか…?
その汚い手を……離せ………』


『いつの間に………』


『このピアスにだけは触れさせない……

絶対に……触れさせない。

それに触れるなら…お前を……刺す・・・・・』



チャンミンの上に跨る男の首元に押し付けられたキラリと光る剣先……。




それを握っているのは……、



チャンミン…………。








『それだけは絶対に汚させない……。

お前たちの様な鬼畜には……絶対にっ!!


小さく震え手で押し付けられた剣先が、
男の首元にじわりじわりとくい込み、
赤い雫を流し始める。


男たちの剣は、
チャンミンを襲う事に夢中になっており、
すぐに手が伸ばせる場所には無かった。

あまりに士気迫るチャンミンの表情に、
反撃も出来ない男たち…。


『離せ……さもなくばこのままお前を……。』


瞬きを忘れるくらいに睨み上げるチャンミンの瞳…


『くそっ……!!』


首に剣を押し付けられている男は、
チャンミンの右肩を押さえつけ、
ピアスに触れようとしていたもう一人の男に目配せしながら命令を出した……。




屈強な男ふたり………。


その力で抑え付けられたチャンミン。


これ以上の反撃も出来ない…。


その心も折れる寸前で、


チャンミンは最後の力を振り絞り、

ユノから貰った大切なピアスを守ったのだ。





形勢は…逆転した…………。





それは一瞬だった。

両手を拘束していた手が、
チャンミンのピアスに触れる瞬間、
その手から逃れようと暴れたチャンミン……。

その時に、
自分の真横に落ちていたユノのあの短剣に手が触れた。


チャンミンはそれを咄嗟に掴み、
無我夢中で自分に跨る男の首に押し当てたのだ。

今までこの剣は、
お守りの様に肌身離さず身に付けていた。

自分の身を守れと、
ユノが自分の大切であろうこの短剣をチャンミンに託した。

戦いも知らなかったチャンミンが、
ユノと毎夜訓練し、
その技術を手にしても、
実際……この剣を人に向ける事は無かった…。


人を傷付ける……。

それはチャンミンには無縁の事であった。


そんなチャンミンが、
今…………敵の首元にその短剣を押し当てる。


それは……チャンミンですら驚くような行動だった。


だからこそ……手が震える。


だからこそ……怖い。



けれどもこの時のチャンミンは、

それでも守りたいものの為に必死になってその剣を握っていたのだ………。



『そんなに震える手で…お前に何ができる………
本当に俺を刺せるのか………?
お前の様な…誰かに守られているだけの人間に何が出来る。』


跨る男は、
額からたらりと汗を流し、
強張る表情のまま、それでもにやりとチャンミンを見下ろした。


『僕にだってできる……。

僕にだって守りたいものは……あるんだ………。

それはお前たちには絶対に分からない!!



……これ以上……僕に……触れたら………、


僕はお前を刺す!!


大きな瞳に涙をいっぱいにしながら、
チャンミンは最後の力を振り絞って叫んだ。


そして、
歯を食いしばりながら更に押し当てる剣先……


『離せ……僕から手を離せ!!』


この時のチャンミンは、
今までに見た事がないくらいにそれはそれは強い眼差しだった………。




いつまでもユノさんに頼ってばかりはいられない。

僕だって……

僕だって……自分の力で大切な物を守りたいんだ!!


ユノさんから貰ったこの対のピアスと、

この短剣でっ!!



握りしめた短剣の柄から、
ギリギリと音が鳴りそうな程だ。

チャンミンはもう一つの自分と戦いながら、
それでも必死になって剣を握った。


『離せ……今すぐに手を離せっ!!』



ユノさん……ユノさん……僕……ぼくっ……




『おいっ……こいつ……本気だ。

本気で俺を………

手を離せ………今すぐに手を離すんだ…………』




その言葉に、

チャンミンのピアスに触れようとした手と、
その身体を拘束していた手が……ゆっくりと離れて行く。


それと同時に自分の身に訪れた自由に、

チャンミンは跨る男から視線を離さず、
その剣先を相手に向けたまま、
ゆっくりと身体をねじりながら男たちから身を離す。


両手で持つその短剣……

大きな目で睨みつけるその眼差し……。


チャンミンは乱れた衣服など気にせず、

2人の男たちから決して視線を逸らさなかった。

荒れる息……

本当は今にでも尽きそうな体力……

零れ落ちる涙と汗……。

そして、

先ほど殴られた口角からは、
真っ赤な血が流れ落ちていた……。



それでも必死に身を守ろうとするチャンミンのあまりの気迫に、

男たちは微動だ出来なかった。



『今すぐそこを退けろ……

ユノさんはどこだ………

ユノさんはどこだっ!!





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