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海賊に恋をして 49


『これは…俺のだ……』


そう言ってユノは手にしているペンダントをぎゅっと握りしめた。



王族の…証し……


それが…ユノのもの……。


ユノの言葉が上手く頭に入ってこない。


王族の者しか手に出来ないものをなぜユノが……。


ユノは…この海賊船の…船長。

しかしそれは名ばかりで…本当は国の秩序と敵国の監視が目的と知った。

表向きは残忍な海賊船。

でもその中にはたくさんの愛と想いが詰まっている事を知った。


国王と繋がっていると分かったが、
だとしても………まさか……ユノが…王族の人間……?


頭が混乱し、
ユノと視線を絡ませることが出来ない…。


ユノが握りしめたその手だけを見つめ、
懸命に思考を張り巡らせても…何一つ結びつかない。

王族の人間がなぜここに……。


王族の人間など自分とは無縁であり、

陸に居たとしても会う事さえ許されない様な存在…。

国王は絶対的で、
身分も無い自分とは全くの無縁……。

今……目の前に居る人が……王族の人間……

まさか……そんな事……ありえない……。



そう思いながらもチャンミンの脳裏に記憶が戻る。

それは光の様に頭の中で映像となって表れる。


…昔…幼い自分を助けた時のユノは、

これと同じ紋章が付いた服を着ていた…。

この国を治める赤の…紋章…。




そうだ……あの時……





僅かだが蘇る記憶と、
船に乗ってからの今日までの日々。

そして、
ユノが隠してきた秘密。

船員には絶対に聞かれたくない秘密。

ミノがその身を持って守ろうとした秘密とは…いったいなんなのか…。

それが…このペンダントだと言うのか……




上手く動揺を隠そうとしても…チャンミンは自分の思考にすら混乱し、
震えるその手を握ってあげる事も出来なかった。




王族の証し…。

それが自分の物だと告白しながら、
その顔には…悲しみが宿っているのだけは…分かる………。





『あの……ユノ…さん……』



ユノはぎゅっと瞳を閉じたままで、

その手が…小さく…小さく震える…。



続く沈黙。

聞こえる波の音がやけに大きく響く…。

ユノは何も語らない…。

いや……語れない…のだろうか……。

それでもこうして自分に打ち明けたのには…意味があるんだよね……

ユノさんが僕に…伝えようと…してるんだよね……


チャンミンは、
震えるその手にそっと手を添え、


『それって……どう言う意味…ですか……』



この人の悲しみを…受け止めたい……。


チャンミンは添えていた手に力を込めた…。




『チャンミン……俺はな……王の…息子…なのだ……。』



そう言いながらゆっくりとあげたその目が自分と絡み合う。


真っ直ぐに見つめる瞳が揺れる…。


『……そんな……』


……いま……なんて………言ったの……?


………王の……息子………?


そんな………



『チャンミン…俺は…王の息子だ。

そして……この世には存在してはいけない王子なのだ………。』



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