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最高の恋人 12-C

『ユノ…おはよ…』

朝の柔らかな陽射しに包まれるこの部屋で、
ユノの隣りで目覚めるようになって…もう数か月が経った……



相変わらず口を開けて、無防備に寝ている僕の恋人……
そのぷっくりとした唇に…小さなキスを落とす……

『んん…チャン…ミナ……おはよ……』

そう言って…
目覚めてすぐに、
その切れ長の瞳に僕を映し、
微笑みかけてくれる…一番大好きな人……


幸せな毎日……
当たり前の愛が溢れる…僕らの同棲生活…



ふたりの生活にも…だいぶ慣れた。

最初は何でも楽しかった。
一緒に居れるだけで幸せで、
ユノが喜んでくれそうなことなら、
なんでも頑張った。

誰かの為に…
大切な人の為に出来る事が…こんなにも幸せだったなんて…

それを思い知ったこの数か月……


けれど……いつの頃からか、
僕とユノの価値観の違いが出て来て……


僕はそもそも…掃除が好きで家事が好き。
だから、その事に関しては……苦労はない。

その都度、片付けないと気が済まない性格だし、
それをめんどうと思った事もない。

けれど……

ユノは…違う……

別々に住んでいる時からそうだったが、
ユノはまとめて片付ける方で。

基本、使ったモノは出しっぱなしだし、
コーヒーを入れたマグカップをそのままテーブルに置き忘れ、
新しいマグカップを持ってくる。

ペットボトルのフタも閉めないし、
お菓子の包み紙もそのまま放置。
すぐそばにゴミ箱があるのに、
それすらしない時もある…

スーツの上着もベットに抛り投げるか、
イスに掛けたまま…
ネクタイも丸めてポケットにしまっちゃうし……


僕が一番許せないのは……
洗濯物……

最初の頃は良かった。

ユノだって一人暮らしの経験もあった訳だし、
僕が泊まっていた頃はきちんと僕の分もやってくれた。

けれど、

僕と住む様になってからは、
洗濯物バケットに入れっぱなし……

たまにやってくれたかと思うと……

色物も関係ない…
服は裏返しのまま……
靴下すら……丸まったまま…洗濯機に入っている……

それでもいい。
ユノと一緒なら…それで…
僕が直せばいいんだ…
それで丸くまさまるんだし…


小さな不満の積み重ねも、
最初は全然気にならなかったし、

『ユノったら…また…』

そう言って微笑む自分もいた。



ユノの為にする事は僕にとっては何よりの幸せだったし、
僕の…存在を実感できる瞬間でもあったから……



けれど一緒に住むと、
会社でも家でも……とにかくユノと一緒で。

幸せな反面、
これまで僕がして来た事が容易に出来ない事もあり、
それではいけないと、
自分の時間も大切にするようになった。


僕は本が好きだし、
ゲームも好き。

集中しちゃうと、
ご飯を作る時間も忘れちゃうくらいだから…僕も気をつけなきゃ…
ユノに嫌われたくないから……僕は一生懸命になんでもやった。




でも……

やはり……好きだから……だけじゃ…うまく行かない事も…目に見えるようになってきた…


僕とユノが生きてきた環境は…他人だからもちろん違う…

僕が気になる事も、
ユノにとっては全く気にしない事だってもちろんある……

違う心を持って生きて来た人間が、
同じ場所で同じ生活をする……

とっても……容易でないと……最近…実感してきた。


ユノの為にして来た事が、
いつのまにか義務の様になって居て、

『ありがとう』
『嬉しい』

その言葉が無くなっていても…それでもいい…そう思っていた……



ユノの身体が心配で、
毎日帰ってきたらうがいと手洗いをお願いしてるのに、
ユノは…やってくれない時もあるし、

仕事で遅くなるユノの為に、
汚れた部屋のままじゃいやだから、
綺麗にして待ってるのに…すぐにユノのスーツが抛り投げられて……


『チャンミナ~ごはんは~?』

なんて当たり前に言われる事も……


疲れて帰って来てるのは…分かってる…


分かっているけど……

こんなんじゃ…僕……

ユノの…お世話の為に…ここにいるみたい………


今夜もユノは遅い……

僕はひとりで家に帰り、
食事の支度をして部屋の掃除をした。

けれど……

朝に乾燥機に入れた服を取り出して……
泣きたくなったんだ……


ユノに買ってもらった大事な服…

ユノの柄ものから…色落ち……して……


『もう……だからちゃんと…仕分けてって……言ったのに……』

付き合った頃……ユノに初めて買ってもらった大切な服……

とても気に入って…大事にしてきたのに………


何度言っても直してくれないユノ。
何度言っても…散らかしちゃうユノ……

でも…それでもいい…

ユノが好きだから、
全部全部…受け止めよう…
僕が我慢したら、
それでいいんだ。

ユノが…好きだから…

嫌われたくない…

面倒なやつだって…思われたくない……

だから…僕はずっとずっと…我慢して来たんだ…


けれど……

その我慢が…いけなかった……


疲れて帰って来たユノ…


いつもの手洗いをしないまま、
僕に抱き付くユノ……

嬉しかったけど…

その手を振り解いた…


『ユノ……何度言っても…ユノはちゃんとしてくれないんだね…』

『ん…?』

『うがいも…手洗いも…僕がお願いする事…なにも……』

『うん…分かってる…でも…もう少し…チャンミナを抱きしめていたい…』


この気持ちは嬉しい…
僕にとって何よりのご褒美……


でも…


でも………



『ユノはさ……だらしないんだよ!毎日言ってるのに、全然直してくれない!!
僕が言ってるのは、小さい事ばっかりだよね?出来ない様な事じゃないよね?
ちょっとでも意識してくれたらさ、お互いに嫌な気分にはならないよね!
……ユノは…なんで言われた事が出来ないの?!』


そう言った瞬間……

ユノの顔が……変わった……

目を伏せ…哀しい顔をしたユノ……



『もういい!この部屋に居てもちっとも休まらない!
いつもいつも小言を言われて……
正直……疲れる……
もう…俺の事なんかほっといてくれ!!』



そう言って……ユノは…マンションから出て行った。


思いっきり閉めた玄関の扉……

その音が……僕の心を…ざわつかせた……




えっ………?


ユノ…………?


どこ…行くの………?



そう思ったけれど…僕は僕で納得してない部分もあったし、

これは…一緒に住むうえで…大事な事……

今回は…僕だって…傷付いているんだ……



今日は…僕だって…悲しい……








一緒に住むって……

やっぱり……

大変……

違う…生き方をしてきたふたりが…一緒に住むって……


静まり返った部屋の中……

ユノの為に作ったご飯……

ユノの為に……きれいにしたこの部屋も……


僕ひとりじゃ……なんの意味も…ない……



ひとりの時間も…大切だって思ったけれど、

ふたりで選んだカーテンも食器も………
ここの全部が…僕らがふたりで生活してる証し……
だから…一人で居たって……ただ…悲しいだけ……




並んでいるマグカップを眺めていたら…
涙が溢れて来た……

悔しいからじゃない…
悲しいからじゃ…ない………



寂しい…んだ……

ここに一人でいるなんて……寂しいいよ………




ユノ……一人じゃ…ここにいても……寂しい………


ユノ……ごめんね……

僕の考えばっかり…押し付けて……



ユノが出て行った玄関を見つめる…




好きならその人の事…もっと…考えてあげなきゃ…
その人がこれまで生活してきたリズムだったり拘り…
そして…それがその人自身だって…ちゃんと理解しなきゃ……


靴下を丸めてたって…僕が直せばいい…
スーツだって今までの様に僕がやってあげればいい…

それが…幸せだって思ってじゃないか……


ユノに、

『いつもありがとな…チャンミナ……』

そう言われながら抱きしめられる事……幸せだって…思ってたじゃないか…?



僕は…いつから…欲張りに…なった…?

いつから……義務…の様になってた……?



違うだろ…


僕は…それが…幸せだったのに……


ユノの為に出来る事が…幸せだった…じゃ…ないか……?


僕……僕…………



ユノを理解してあげてるつもりが…
ユノを苦しめた……?



ユノ……

ユノ………


急いで玄関に出た…

靴も履かず…
コートも羽織らず、
握っていたエプロンも…投げ捨て、
履いていたスリッパも…そろえることなく……



けれど………


ユノはもう……

そこには居なかった………


ユノが帰ってくるのは…ここしかないのに……

疲れても帰ってくる場所は……ここしかないのに……

ここだけが……ユノが……心から休める場所…だったのに……



『僕……なんて事……言っちゃたんだろ………』


玄関にもたれかかるようにして…僕は…座り込む……


最初は…ユノと一緒なら…なんだって…楽しかった……
恋しくて…愛しくて…24時間一緒に居たって…ユノとだから…楽しかった…

幸せだった……

ユノの可愛い寝顔も…
ユノのだらしない姿も……

ここでしか……見れないのに………


誰だって……細かい事を言われたら…腹が立つ……

誰だって……直せない癖は…ある……

それなのに…僕はっ………


『ユノ……ユノっ………ごめっ……帰って……来て………ユノっ………

僕のところにっ………帰って来て………』


自分の吐く息が…上に向かって登って行く……
寒くて…寒くて……

それでもユノは……この寒い夜に……飛び出していってしまった……
何も…持たずに……

きっと……
寒くて…
ユノはっ…………


ふらふらと立ちあがり、
ユノを探そう…

そう思ってマンションの下まで来た…

けれど、


何処を見ても…ユノの姿はなく、
真っ暗な世界………

結局……僕は……どうする事も…出来ないまま…その場に立ち尽くした……




……お願い…ユノ……帰って来て…………


その時……

遠くから聞こえた…足音……


ユノ……?


僕が…間違える訳ない…

真っ暗で姿は見えないけれど……
きっと………


『ユノ………ユノ…………ユっ……ノ…!!』

僕はユノに向かって走り出した。

その腕に包まれ、

『ゴメン…チャンミナ…ゴメン……』

耳元に感じるユノの声……

『ユノ…ごめ…んなさい……僕…もう…ユノが帰って来ないかと思った……
怖かった……怖かった……』


『チャンミナ…こんなに身体が冷たくなって…いつから…そこに居たんだ…?ん?』

そう言ってぼ自分が着ていたコートで…僕を包む……


『だって……ユノがっ………出て…行ったから……』

『ごめんな…帰ろう…?チャンミナ…
俺たちの家に……一緒に……帰ろ……』

『うん……僕たちの家に……一緒に………』




ユノ…ごめんね……

僕……安心…してたんだ……

何をしたって…
何を言ったって…ユノがは僕を包んでくれる…

いつもこうして…僕を…包んでくれる……

それに甘えて、
自分の都合の良い様に…ユノを変えようと…してたんだ……

人の心なんて…変えられないのに…
人の…生活なんて……変えられないのに……

一緒に居る……

それだけで幸せだったけれど、


『同じ家に住む』という事………

それは…これからも…小さなすれ違いの繰り返し……

小さな不満の…繰り返し……

それでも…

それがいつか…ふたりの当たり前になって行く………


そんな中でも……

「ありがとう…」

その言葉だけは…失くさないで行こうね…ユノ………


どんな小さなことでも…


それが…ユノ………


僕が大好きな……ユノ自身……なんだから………




ユノ……?


これからも僕ら……ちゃんと口に出して…一緒に笑っていこうね……


ユノが居ない生活なんて…考えられない……

丸まったままの靴下も……
飲みかけのままのマグカップも……

それが…全部…ユノなんだ……

それが無くなったら……きっと僕は…寂しくなるよ?



ユノ……

大好き………

どんなユノだって……


僕が………包んであげる……



僕には…もう……ユノが居ない生活なんて…考えられないんだから………





あとがき///


はい…今回もひと波乱ありそうで…結果ラブラブなバカップル…


でもね…一緒に住むって本当に大変…
良い事もたくさんあるけど、
違う生き方・違う育ちをしたものが、
一緒に生活する……

それって…本当はすごい事だと思いませんか??
新しい暗黙のルールが決まるまでは、
お互いに妥協したり、
我慢したり…

経験から言うと、
旦那の為にしていた事
(お風呂の保温のタイミングとか、着替えの準備とか、帰ってくる時間にご飯を温めたり…遅くなる日も電気だけはつけておこうとか…おやすみの日に出掛けるのも、たまにはのんびり寝坊させてあげたいとか……)
そんな事も…旦那の為に頑張っていたのに、
それが当たり前になって居て、

『あれ?今日は着替え出てないの?』って言われた時にはカチンと来たり(笑)
旦那は旦那で、それが「当たり前」になって来て、
「ありがとう」って言わなくなったり。
でも…言って欲しい自分もいたり(笑)

矛盾の繰り返しだね(笑)


でも…相手の欠点も認めてあげるのが…とっても大切で…
自分の当たり前が、
相手にとっては苦痛になっていたり……


難しいけれど…そうやって…家族になって、新しい日常ができあがるんですよね/////


10年同居
・・・チャンミンが僕の部屋を掃除

リアルなこれを思い出しちゃったり(笑)


私もダーリンといつか一緒に住んだら、←えっ??なんで??(笑)
きっと…ケンカ…するんだろうな(笑)

ねっ?ダーリン(笑)


さぁ……同棲の悩みも…もちろんありつつ、
これからもっと最高の恋人に向かって爆走しちゃいます!!


こんなふたりの物語……
次はどんな事になっちゃうの??

Dycuダーリン!!

教えて!!

コラボ小説、次の更新は…

12月14日(土)

20時の更新です!!!


いつも皆様……

本当にありがとうございます/////

優月より
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