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Dream of two 6-C

グランドでユノと話したあの日から、
僕の心は大きく変わった。


もう一緒にサッカーは出来ないけれど、
ユノとまたこうして話せるようになった。

それだけでも、
昨日の僕とは違う。

何より…心が軽くなった。

もうサッカーが出来ない身体の事をユノに話せた。
それだけで十分だ。


逃げていた心。

そっちの方が…辛いから…

そっちの方が……もっともっと僕の心を闇に落とすから。


それならば、
ああやって吐き出してしまって良かった。

何よりも一番聞いてほしいユノに。


それでけでほんと……僕の心は軽くなった。



約束を果たせなくなった僕が、
ユノと一緒に居る権利など無い…
そう思ってきた日々はもう過去になった。



放課後になれば毎日ユノと会えるようになり、
僕は昔の気持ちを取り戻せるようになった。

あの頃もユノのちょっとした動きで彼の不調が分かった。

走り方一つで、
今日のコンディションも分かる。


『ユノ、今日はどうしたの?
なんか冴えない顔してるね?』


『そうか?明日テストだからじゃない?』


『体育科、明日、テストなの?』


『あぁ…数学。
俺、めっちゃ苦手。
助けてくれよ~チャンミナ!』

『それは自分の力で何とかしなよ!
はい、今日の分のおにぎりだよ!
慌てて帰んなくても、
これがあればいいでしょ?
マッサージ、ちゃんとしてね!』


まるでマネージャーの様にユノの体調を気遣う。


それすら楽しくて。


特進科の勉強ははっきり言って大変だけど、
こうして放課後の僅かな時間でもユノと話せるのとても嬉しかった。


それが何よりの気分転換。


それに…毎日ユノに会える…

ほんと…それだけで十分だ。


今の僕には…十分………











『チャンミン君!』

『ミノ!!補習、終わったの?』

『うん…もう最悪!!
今日の課題プリント3枚だよ!3まい!!』

点数の悪かった数人が居残りさせられ、
補習授業に出ていた。

僕はミノを待っている間に図書室に居た。

実はそこからグランドが見える。

ユノがサッカーしている姿もちゃんと見える位置にある窓際に座って、
ユノの動きを見ながら今日の宿題を終わらせていた。



ユノには内緒。
ここは僕だけの特等席なんだ。


塾の時間が迫り、
僕は慌てて参考書はバックに詰めて教室へと戻った。


補習させられ、
その上課題も出されたミノ。


本当にこの特進クラスは勉強勉強の毎日……




『それはミノが点数悪かったんだから仕方ないだろ?』

『あーーームカつく…自分は満点だったからって調子に乗りやがって!!』

『痛っ!!ミノ、やめろよ~!』


あれからミノとも随分仲良くなった。

ユノと話せたことを伝えた時、
彼は目に涙を浮かべて一緒に笑ってくれた。

『良かったね…チャンミン君。ほんと…良かった。
もう一度ユノ君と話せるようになって。
ほんと、良かったね…』


そう言って人の為に涙を流す彼を見て、
僕の心も救われた。


『そうだ!チャンミン君!
来週から期末テストだよね?
もちろん塾の補習、増やすよね?』

『あっ…そうか…来週からだもんな…
今回の試験って全国の順位もでるんだもんな。
確かに塾のクラス、追加しないとだめか……』


ユノとまた話せるようになったとしても、
結局僕は特進クラスのまま。

優先しなければならないのは勉強…なのだ。

その為に塾のクラスをもう一つ追加しないとダメかな…

今の僕の実力でも、
もうワンランク上に行った方が安心。
その位、今の特進のレベルは高かった。



そうなると…急いで塾に向かわないと間に合わない。



これまでみたいに放課後にユノに会う事は出来なくなる。


テスト期間が終わるまでは…ユノに会えない…


でも…これもサッカーを失った僕に出来る唯一の事。

唯一サッカーを忘れる事の出来る場所…なんだ。



大きな溜息をつく自分。


これで…いいんだから。


そう言い聞かせるように、
参考書で随分と重くなった鞄を手に取り、
教室を後にした。



その日の放課後、
いつもの様にユノを待っていた。


『ミノ。ちょっとユノに塾の事、話してくるよ。
ちょっと正門で待ってて。』

『いいよ。ユノ君も頑張ってるみたいだね。
もう少しで…大会…かな?』



ちゃんと言わないとユノも心配すると思う。


いつも僕の事を持っているのは分かっているし、
僕だってこの時間が本当に大切で。



しばらく会えなくなるのは僕だって寂しい。


サッカーは出来ないけれど、
ユノに会えて、
ユノと話せる放課後が待ち遠しかった。

勉強ばっかりの僕が唯一笑顔になれる場所。

それがこのほんの僅かな時間だとしても、
ユノと話せるこの時間は僕にとって何よりの時間だったのに……


でも…仕方ない。

これが僕が選んだ道…なのだから。





『ユノ!!』


いつもの様に手を上げてユノを呼ぶ。


グランドから僕を見付けて歩知ってくるユノ君。

今日も額に汗を光らせ、
僕には眩しいくらいで……




『チャンミナ!
お疲れ!』



その笑顔が…僕の心をドキリとさせる。


この笑顔が好きだった。


やっぱり…好きだ。


僕の名前を呼んで、
僕に微笑むユノの笑顔。

ずっと隣にいた。
ずっと一緒だったのに。


今はもう叶える事は出来ないけれど、
僕の夢を背負ってくれたユノを応援しよう……心からの願いだった。



この想いはきっとユノには届かない。

そう言う意味の好きだとはユノだって思って居ない。


僕だって最初は分からなかった。

ただ傍に居たい。
一緒にサッカーしたい。

それだけだった想いは、
サッカーを諦める時に流した涙で気が付いた。


サッカーを牛う事は苦しいが、
それ以上に……ユノと会えない事が僕の心を支配しているのだと。



それが、
恋としての好きなのか…
それとも、
相棒としての好きなのか…


正直迷いもあった。

僕は男だし、
ユノも男。

ユノの優しさや僕に向けるその笑顔に…勘違いしているのかもしれない。


でも……


僕はユノが好きだ。



それだけは…自覚している。



『チャンミナ!!』


ほら…

こうして僕の名前を呼ばれるだけで、
こんなにも苦しい…


こんなにも…泣けるのは、

僕がユノが好きな証拠なんだ。





『ユノ、お疲れ様!』


『チャンミナ!あのさ…俺…』

何故か鞄を持ってきたユノが気になってはいたが、
ちゃんと伝えなきゃ。


しばらく…会えないって。


『ユノ!あのね、今日から期末テストが終わるまでここには来れなくなるんだ。
塾も忙しくなるから。ゴメンね…ユノ。』


ユノの笑顔が曇るのが分かったけれど、
僕の心だって痛くて。

『そう…なんだ…』


『ユノも部活頑張ってね!ゴメンね…ユノ…
僕、ミノを待たせてるから、もう行くね!』



『そうか…特進は勉強…大変だもんな…
頑張れよ!チャンミナ!』



それぞれの場所…

それぞれの道……


僕たちは今、
違う道を歩いている。


サッカーへの夢を捨てなければならなかった僕……

そして、

その道を懸命に歩んでいるユノ……



精一杯の笑顔でユノに手を振る。



諦めた夢をいつまでも心に残しても、
もう何も出来ないのは分かっている。


ならば、今自分が出来る事をしよう。

今の自分の位置をしっかりと見据えて、
頑張るしかない。


もう泣かないって決めたから。


もう泣かなくたって、
ユノが僕の夢を背負ってくれている。


ユノの夢をちゃんと見届けよう…

そう思うだけで、
心は……前ほどつらくは無かった。






それからの毎日は、
授業が終わればすぐに塾。


ユノがグランドに来る前に、
ミノと一緒に電車に飛び乗る毎日。


余計な事を考える暇はなかった。


それでも昼休みになれば屋上でグランドを眺める。

まだ部活も始まってないから、
男子生徒たちがお遊びのサッカーをしている。


その姿を見ながら微笑むことが出来るのも、
ユノと話してからだ。



ほんの僅かな時間。

教科書も参考書も手離して、
唯一、サッカーが好きだった頃の自分に戻れる時間。

『あいつ…下手くそ…
ユノならあんな事しないのに。』

そう言って微笑む自分。


目を閉じて、
その風をこの身で感じる。


澄んだ青い空…
頬にあたる風……


その中に、
ユノの声が聞こえる様な気がした。



『チャンミナ!!
次のチャンスにはロングパスをくれ!信じてるぞ!!』


グランドから聞こえるサッカーボールを蹴る音に乗せて、
心の中でだけあの頃に戻る…



その時間が僕の唯一の安らぐ時間……



僕の…一番大好きな…ひととき…だ。




教室に戻ると何だかクラスが騒がしい。

『あっ!シム君!待ってたよ!』


クラスメイトの視線が一気に僕に集まる。



『なに?』

『シム君、この問題、分かる?』

指差した先の黒板には、
新しい方式でしか解けない数学の問題。



『なに、これ?』

『次の試験、この方式を使う問題が出るらしいんだけど、
誰も解けない。
シム君ならどう解く?』


これか……


僕は白いチョークを手に取り、
それを解く。


『これでいいんじゃないの?』


この方式は、昨日、塾で個別に指導されたから分かっている。


『おぉーー!!
さすが特進ナンバーワン!!
この方程式、
メモしていい?』

『勝手にどうぞ』

まるで授業の様に、
全員が黒板問題を書き写す。


誰の為でもなく、
自分の為の勉強。


『チャンミン君、さすが!!』

『そんな事ないよ。』

『今度さ、チャンミン君の家に合宿しに行こうかな?俺。』

『はぁ?迷惑だよ!』

『いいじゃん!!
俺とチャンミン君の中じゃん!!一緒に勉強しようよ!!』

『どうしようかな…ミノと居たら、
ゲームばっかりしそうだな』

『チャンミン君、一人暮らしなんだろ?
だった泊まってもいいだろ?!
チャンミン君ちで合宿したい!!』


ミノのおふさけと分かって居ながら、
それに付き合う僕。

『そうだな。その代わり、夕飯はミノが作れよ。
ただし、ミノの分の課題はやらないし、
教えない。』

『はぁ~?!それじゃチャンミン君ちに行く意味ないじゃん!!』






ミノの腕に首を絞められながら、
まわりに居るクラスメイトに、

『お前たち、仲良いな。』

そう言われながらじゃれ合う僕たち。


勉強だけで笑いのなかった特進クラスにも、
ミノの明るさが笑顔をもたらす。

ほんと…不思議な奴だけど、
こうして僕の友達になってくれたミノには感謝している。


そんな僕たちの姿を、
特進クラスに居るはずのないユノ君が見ていたなんて…
その時の僕は気が付かなかったんだ……




悲しそうな目で…

僕を見るユノ君の視線に…


気が付かなかった……








あとがき!!


はい…

チャンミンもチャンミンなりに思いを隠して前に進もうとしています。

ユノに話せたことで、
チャンミンの心に変化がありました。

それでも…本当にチャンミンはサッカーを諦めたのでしょうか…
私には…そうは見えない…←おい!作者!!

自分のほんとの気持ちを隠すように…
それでも自分の位置を確立する為に、
チャンミナはチャンミナで頑張ろうとしています。


そんなチャンミナを見ていたのは…ユノ……


なぜ悲しい目をしてるの…?
なぜ…そんな目で僕を見てるの……?



そんなユノの気持ちは土曜日のDycuダーリンのサイトで!!

あちらはあちらで…
エロさん満開連載で楽しませてくれていますが、
優月もまたリクエストしちゃおうかしら??

甘い甘い恋まではもう少しかかりそうね!!

でも…忘れないでくださいね///

ここは…ダーリンと優月が愛を育てる場所!!

皆さま、
もう少々…いじらしいくらいの青い春にお付き合い下さいね!!

いつもありがとうございます!!

そして…



今夜22時にコラボ企画のお知らせあります♥
とっても懐かしいあのふたりの…

詳しくは22時に!!



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