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Dream of two 最終回-C

『チャンミナが……好きだよ……』

『ユノ……僕はずっと…君が好きだったんだ……』


想い出のグランドで僕たちの想いが重なる………


ずっと胸に秘めて来た想い………



病気によって諦めた夢。


失くした………僕の夢の欠片。



ユノとの未来だけ見て頑張っていたあの瞬間を失って、


僕の世界は色を失くした。





認めなきゃ……



そう頑張って来た真っ暗な世界。

『チャンミナが…好きだよ……』

その言葉と共に、
僕の闇に差し込んできた一筋の光に……僕は再び手を伸ばした。






もう一度この手の中に掴んだユノとの時間。


灰色の世界が少しずつ色を取り戻し始めるのが分かるほど……僕の心は春の陽ざしの様にゆっくりとゆっくりと覚醒していく…




けれど、

一度、濃い闇の色に染められた心に、
再び鮮やかな色を塗り重ねるにはまだまだ時間も必要で、


決して簡単な事ではない。


けれど……
それでも僕たちは離れていた時間を埋める様に、

学校でも家でもいたくさんの事を語り合った。



僕の知らないユノ。

ユノが知らない僕の事。




それをどんな言葉で埋めようとも、


今の僕らなら、

そっと差し出し合ったその手を繋げば、

何でも分かる様な気がした。




『チャンミナ、おはよう!!』

『ユノ!おはよ!ちゃんと課題、やって来たの?』

『あ~あれはね、お手上げ!諦めた!』

『もう、せっかく模範解答、メールで教えてあげたのに…』

『あんな問題、体育科の俺が解けなくても問題ないの!
それより、チャンミナもちゃんと柔軟、して来た?』


僕たちの毎日が大きく変わった。



僕は特進科に在籍しながらも、
サッカー部への入部を決めた。




この事に関して、
特進科の担任は猛反対したが、
そもそも僕も体育科で受験していた事もあり、
成績を維持する事を宣言して納得してもらった。


本来ならば、
僕は夏から特進クラスでも更に上のAクラスに選抜され、
特別な講義を受けられる事になっていたが、



それも……やめた。



再び夢を見る事を決めた以上、


僕はもう中途半端な事はしない。


それが僕の新たな決意。




サッカー部に入るのも、
本当に…問題が多かった。


ただでさえ特進科。
その中でもトップの成績を維持していた僕。

学歴社会のこの国で、
いかにこの事が意味がある事かも知っている。



そして………喘息を抱えた…僕…


決してサッカー向きではない身体の僕の入部を、
サッカー部の監督は僕の名を知っていながらも、
なかなか首を縦に振ってくれなかった。




『お願いします!!
チャンミナの入部許可をください!
ふたりで必ずチームに貢献します!!
だから入部許可を!!』


ユノは何度も何度も監督に頭を下げてくれた。


ユノが作ってくれたノートを手に、
監督、コーチ、チームメイト、マネージャー……

サッカーに関わする全ての人に、


僕が喘息である事を最初からカミングアウトした状態で掛け合ってくれた。


『喘息持ち。そもそも特進科。中途半端なら使えない』
『遊びでやってる訳じゃない。いいかげんな気持ちでやってほしくない。』
『そもそも試合に出してやれるか分からない。』
『特別扱いしろって言うのかよ……』


もちろん……反対意見も多く、

特に先輩たちの評価は……厳しかった。


『お前たちが名コンビなのは知っている。
だけど、みんなここに夢を持って来てるんだ。
発作を起こした時に迷惑がかかるのはチームだ。
みんな、自分のポジション争いで精一杯なんだよ。
特進科に居てのサッカー。喘息もち。リスクだらけじゃないか。』




まったく…その通りだった。


でも……


もう………



迷わない。




諦めない。




『お願いします!!
チームに迷惑が掛からないようにします!!
主治医にも相談して、
自分で引き際を見極めて絶対に迷惑かけません!!

特進科でも……サッカー…やらせてください!!
一緒に……皆さんと一緒にサッカー……やらせてくださいっ!!』



ふたりで何度も頭を下げた。



高校でもトップクラスのここのサッカー部。


これは無謀な挑戦と分かっていても、


今の僕には、


ユノがいる……



僕を信じて、
僕の隣で背中を押してくれるユノがいる………







そしてついに……


何度も何度も頭を下げ続けた事が……実を結ぶ。





『……今度の新人戦で結果を出せ、シム。』


監督の一言。


『えっ………?』


『お前たちのコンビが本当に使えるか、
うちのチームにとってプラスに作用するのか、

今度の新人戦で見せてもらう。

そこでやっぱり無理と判断したら、

シム……きっとお前を3年間…試合にすら出してやれないと思う。




しかし、それも覚悟の上だろう。

チョンとお前がここまでするんだ。

入部は…認める。


ただし、結果を残せ。

スポーツは…結果が全て…だ。


あとは、
自分で決めろ。
実力で掴みとれ。』









それからの日々は…ほんと180度…変わった。

塾はやめた。




特進科のみんなには笑われ、
バカにされる事もあったが…気にしない。


ミノも一緒に泣いて喜んでくれた。

応援する、
協力するって涙を流して。



成績だけは落とさぬよう、
それなりの努力もした。




『無理をしない。成績を維持する』

サッカー部に復帰したいと話した時、

両親と約束した。



特進科に居る僕は、
練習に遅れる事も多かったし、
部活の後にも課題が山積みで。



正直……時には苦しい事もあったが、

これは自分で決めた道。


妥協はしなかった。


最初のスタートで妥協などしたくなかった。






そしていよいよ……


新人戦の日を迎えた。



『チャンミナ……いよいよ…だな…』

『うん…僕、頑張るから。
その為に…ここまで頑張って来たんだ。
みんなに認めてもらいたい…

少しでもユノと一緒に……ピッチに立っていたいんだ。

ユノと僕の夢……

もう一度……一緒に見たいんだ……』




そして始まった新人戦。

もちろん僕はベンチで見守る。

さすがに強豪校だけあって、
順調に勝ち進むチーム。




その輪の中心はユノだった。





僕に出来る事は祈る事だけ。

ユノのサポートをし、
ユノのケアをするだけ。


ベンチに居るだけの僕だったが、

今…ユノと同じユニフォームを着ている事。



それだけで…僕の心は高鳴り、
目の奥がいちいち熱くなる。




『チャンミナ、さっきの俺の動き……どうだった?』

『ユノ!さっきは何で右に走ったんだよ!!
どう見たって左だろ!!
相手の10番に完全にマークされてんのに、
何でだよ!』

『そうだよな……ダメだ…こんなんじゃっ!!』

『うん!でも良い動きだった。
大丈夫。
自分の直感を信じて。

次も頑張ってよ!ユノ!!』



ユノに差し出すタオル。



肩で息をし、
額に流れる汗すら太陽でキラキラ輝き、
光の粒を作る…


そのとなりにいるだけで……僕は幸せだった。






そして…決勝戦。





『いよいよ決勝だ。
いいな、ここまで来たんだ。あとは自分達のチームを信じるんだ。
今日のスタメンを発表する。

右サイド………シム。』



……えっ……



『右サイド…シム。お前に任せる。』


監督は表情を変えずに僕を見つめ、
小さく頷く。


『お前とチョンのコンビとやらを…信じてみようと思う』



『………はいっ!!!』


隣に居るユノを見る。


『ユっ……ユノっ!!』

『チャンミナ!!……やったっ!!
やったなチャンミナ!!』


僕たちはハグをして喜んだ。




『ここからだ、チャンミナ。
俺たちが最強っての、みんなに見せつけてやろう!!』

『うん!ユノ…僕…僕っ………』

『なんだよ、泣くなって!!
泣くのはまだ早いってチャンミナ!!』





試合が始まる……





眩しい太陽の下…



今……僕とユノの夢が再び始まる………


熱い陽射に揺れる陽炎……



目を閉じて大きく息を吸った。




『チャンミナ!行くぞ!!
絶対に優勝しよう!!』


その言葉に目を開ける…


そして…



『ユノ!!ユノを信じてる。
だから僕を信じて!!
行こう……僕たちの夢に向かって!!』


グランドに駆け出す前の……久し振りのハイタッチ。

僕たちだけの儀式。


そこに言葉は無くとも、
自然に差し出された両手。


『行こう。俺たちの夢へ!!』









何故だろう……
あんなにも離れていたサッカーなのに、
身体が軽くて、その先が見える。



ユノの動きも、
相手の動きも。


何度カットされようとも、
僕たちは僕たちのサッカーを。




諦めない………





それこそが僕とユノの……強さだ。





『ユノっ!!』


『チャンミナ!!』




それはまるであの頃の様に………


一瞬もずれる事のない呼吸。

そのアイコンタクト。



ユノの先を…
ユノの考えてる先を見て出したパスを、
あの頃の様にユノは確実に決めてくれる。




気持ちいい……




これが…僕の本当に望んだ未来だ……




僕のパスを確実に決めてくれる……


僕のユノ……



僕だけの…ユノ…








『チャンミナ!無理すんなよ!!』


ゴールを決めて抱き合う僕に囁くユノ。




背中を叩き、
頭を撫でるその掌……




そう……


その言葉が……

その動きの全てが………



僕の原動力となる……










そして、

僕たちは新人戦を制覇した………





ユノの隣に立つ僕の胸に輝くメダル。





僕の隣で弾ける笑顔……





そして……


僕の……夢に眩い光りが戻った瞬間。







一度は諦め…自ら手離した何より大切だった……僕らの夢……



そして………




一番大切な………僕だけの……ユノ……




『チャンミナ!!』




僕の名を呼ぶ………大好きな人……






『今回の健闘章は…シム、お前だ。
お前とユノのコンビは……確かに…最高だ。
これからも頼むぞ、シム!!

チームの中心として、
その賢い頭で知恵を貸してくれ。』



監督の言葉……。


『はいっ……!!』


『シム!!お前ってやっぱりすげーなっ!!』

『お前の相手チームの分析データ、最高だったな!!』


チームメイトの言葉も全て…ユノが居たからこそ。



試合が終わって、
ふたりで想い出のグランドへ向かった。


あの時の様に…一緒に…。





『チャンミナ!
優勝できて良かったな!!
監督もみんなも…認めてくれたな!!
これでまた一緒にサッカー出来る……
俺……嬉しいいよ……

鳥肌が立ったんだ。

お前のパスがまわって来た時さ…


公式試合でまたチャンミナのパスを決める事が出来るなんて……

やっぱさ、俺にパスだせんの、チャンミナしかいないよ!

俺…本当に幸せだよ。

大好きなチャンミナと…また…同じ夢を追いかける事が出来てさ……

本当に……嬉しいよ……』


そう言いながら差し出された右手……


その手を……しっかりと握り返す。



『ユノ……ほんと…ありがと。

僕を…諦めないでいてくれて……ほんとっ……

またこんな気持ちになるなんて思わなかった。

また…こうして……ユノと一緒に………


ユノ…遠回りしちゃってごめん。


好きだよ……ユノ……


僕を待ってくれて……ありがと……』



夕陽に照らされたユノの横顔……


あの頃の様に…

でも…ほんの少しだけ大人になったユノの横顔が……愛おしい……


そう……



僕は……ユノの隣が………いい………




この先もずっと…ユノの隣に居たい……


ユノの…1番で…いたいんだ。





『チャンミナ……』


『ユノっ……大好きだよっ……』


引き寄せられた身体………


そして見つめ返すその目に映る僕と…オレンジ色の光……




『チャンミナ……好きだ…
大好きだ……』


『僕もっ……ユノが………』





好きだ………




引き寄せられるように重なった唇……


お互いに…震えて、
お互いに…遠慮がちで……



照れ隠しにふたり額を寄せ合って小さく微笑む。




『…なんか…恥ずかしいね…ユノ……』

『あぁ…でも……幸せだよ……』



僕たちのファーストキス……







ユノ……



僕を諦めないでいてくれて…ありがとう。



僕を…選んでくれてありがとう。



ずっとずっと秘めた想い……


諦めてしまったその未来…


けれど今…僕は…






幸せ………









箱の中に納めた想いは…今……




ユノの隣で再び輝きを取り戻した。





サッカーも…ユノも……諦めなくて良かった。




2つに分かれた僕らの道………



でも……今は……違う。





繋がれた手から伝わる温もりをもう絶対に…



………離さない。




ユノ……


僕は今……幸せだよ。




病気を抱えた僕を包み込んでくれた君に誓うよ。





もう……決して…君を諦めない。




僕たちの夢はまだ…終わらない……




夢を一緒に叶えよう………





この先もずっと……ふたりで……………




Dream of two…………


ふたりの夢は更に光を増して……未来へと歩み続ける…………







あとがき。


チャンミナはようやく夢の続きへの切符を手にしました。

今度は迷う事なく、
ユノとの未来だけを信じて歩き出しました。


Dream of two………


ふたりの夢はこの先の未来へ……




これにて第1章は完結です。


次からのお話は、

サッカーを頑張る2人がメインではなく、
(もちろん、サッカーか絡みますが)

恋の方を丁寧に書いていこうかと思っています。


さぁ~始まりますよぉ~!!

最高の恋人を描いたDycu&優月コンビの本領発揮と行きましょう!!!


そんな第2章のタイトルは………



『Dream Destination』 (夢の先)


です!!

公開日はまた別記事にて公開しますので、

これからもサッカー少年のユノとチャンミナの恋を見守って下されば嬉しいです!



Dycuちゃん!!


このお話はちょっと生み出すのに苦労したね…
まぁ…優月色になっちゃった部分も多くて、
描きにくかったでしょ??

でもね、
次からはチャンミナも遠慮しないからね!!
好き好きアピール、頑張るね//////


これからもずっと一緒。


ユノとチャンミンの様に、
これからもずっと傍に居るよっ!!






皆様、

Dream of twoを応援して下さり、
本当にありがとうございました!!



優月より////





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