過去ログ

スポンサーサイト

海賊に恋をして 61

殆んど灯りのない長い廊下を、言葉無く歩く…。憎んでも憎み切れない兄の後ろを……今はただ黙って。握り締めた剣が無駄に空を切る音だけが響く……。松明が揺らめく廊下を兄のその背を見つめ、自分の後ろにはドンへがぐたりとしながら敵の肩に担がれ、その長い前髪が力なく揺れているのが分かる………。ドンへは気を失い、そんなあいつの首には常に剣先が向けられている。前には兄一人…。しかし自分達の後ろには何十もの兵士。兄に導かれ...

海賊に恋をして 60

『ヒョン………』松明が僅かに灯るその場所に立っていたのは、紛れもなく……兄だった。『ユノ……』地を這うような低い声……。耳に突き刺さった感情のない響き………。僅かな光で瞳までは見えないが、その響きだけで背筋が凍る程の冷たさと嫌悪感が生まれる。『ヒョン……』『……………』ふたりの間に流れた沈黙が、まわりの空気さえも止めてしまいそうだ…。『ドンへをどこへやった……』ユノは腰に携えた剣に手を掛た。『ふっ…あの小僧か?昔からあ...

海賊に恋をして 59

僕は再び歩き出す…。ミノさんと一緒に……ユノさんの元へ。道なき道をミノさんと寄り添って歩いた。離れない様、ミノさんの背中を見失わない様に僕は必死に歩いた。慣れない道に何度も何度も躓きながら、それでも前だけを見て……。見上げる星空。ユノさんと見た月。ユノさんと出会ってから、見えるものすべてが…愛しくて生きてるって感じる事が出来た。だから…、だから僕は行く。自分が生きている事、自分がこれから生きる意味を失わ...

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。